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昨日は日本政策投資銀行地域企画部の藻谷浩介氏の講演を聞きにいってきた。この藻谷さんは毎日全国のどこかで講演しているらしく、これまで国内の市町村の99.9%に行ったことがあると言っていました。プロフィールには、あらゆる地域の地形・交通・産業・人口動態・通勤通学動態・郷土史等を詳細に把握している、と書いてあるが、昨日もテレビチャンピオンで日本の地理についてだったら、絶対のチャンピオンですよ〜と豪語していた・・・。しかし、それも本当だろうな、と思わせるほどのマニアぶりでした。 さて、それで注目の講演内容でしたが、まさに目から鱗だ!!。僕自身これまで日本の地域事情に注目していなかったこともあるが、あまりにも僕の感覚と実際の実情がかけ離れていることに気がついた。というか一般のマスメディアの情報自体が捕らえ方を間違っているようだ。これは藻谷氏が最初に聴衆者に対してした質問であるが、 Q1995-2000年に国勢調査の就業者が増えた都市圏は3つあります。それはどこでしょうか? この質問は毎回藻谷氏が最初にしている質問らしいが、ほとんどの人が間違えるようだ。 正解は@、A、Fである。 えっ、東京入らないの?僕の出身地名古屋もトヨタが本社移転しているし、最近名古屋好景気ブームじゃん!ってこの答えを聞いたときは思いました。まぁ、福岡あたりはわかるが、札幌、仙台ってそんなに人気なんだ〜って単純に思っていた。そしたら、藻谷氏がその理由分かる人いますか?と問いかけてきた。本題はこっちらしく、この質問に過去答えられた人は3人しかいませんよって言ってました。 ちなみに2000年時の国勢調査による東京圏の就業者人口は2924万人、大阪圏1214万人、名古屋圏528万人、福岡圏237万人、札幌圏231万人、広島圏177万人、仙台圏158万人。 この就業者人数を見ると、先ほどの質問の正解であった札幌、仙台、福岡は就業者人口が少ないことが分かる。これがヒントだよ、と言ってくれました、正直この数字をみても先ほどの質問の答えと結びつく回答は思いつかなかった。 答えを言ってしまえば、1995-2000年の東京、大阪、名古屋などでは就業者人口より退職者人口の方が多かった、ということだ。東京圏の就業者数は85年度の就業者の数を100とすると、95年度には115であるが、2000年度には113になっている。微妙ではあるが、減っているのだ。大きく減ってしまったのが大阪圏で1995年度には111だったのが、2000年度には106になってしまっている。逆に福岡圏は年々上昇していて2000年次には130にも達している。 東京、名古屋、大阪といった早くに経済成長を遂げてしまったところは、その活力を生み出した年代がどんどん退職している時期が1995年以降なのである。これは言いかえれば、東京、大阪、名古屋では高齢化が急激に進んでいることなのである。 ここから話題は少子・高齢化に入っていったのだが、藻谷氏の発言で僕がもっとも衝撃を受けたのは、まさにこの点だ。少子、高齢化になって、政府が取り上げた、あるいは新聞が一番とりあげた数字は何か。そう、出生率の1.29だ。子供の数がどんどん減っている。これは問題だ、というわけだ。しかし、その数字のみに着目している限り真実は見えないよ、と。 出生率はどのようにして算定されているのか。その年に生まれた子供/出産可能年齢の女性の人口、からだ。藻谷氏が着目したのは、この出産可能年齢の女性の人口だ。 つまり藻谷氏は 『少子化の主犯は、出生率低下よりも「親の数」減少である』 と主張するのである。 いや、これは当たり前といえば当たり前ですが、僕はこれまで1.29という数字のみが新聞で強調されていたために親の数の減少には気づいていませんでした。気づいていたとしても、それを問題としてみていなかったのかもしれない。「分子の数の変化のみにとらわれていて、大半の人は分母の変化に気づかない」。生のデータを見れば、そんなことすぐ分かることなのに、そういうことをせず、計算結果のみに着目してしまうのは日本人の傾向としてあることは確かだ。僕自身政治学、行政学、経済学を学んでいるものとして、生データから確認しなければいけないと思いつつも、面倒くさくて避けてきてしまったことではある。そのことを痛感させられた。 ちなみに、少子化の話に戻れば、戦後は129万人もいた出生者が人工妊娠中絶合法化をきっかけに50年代後半は第一次少子化が起こり、出生者75万人まで減少した。そして、1970年代前半に出世者数は団塊世代の出産ラッシュにより第二のピークを迎えた(100万人まで増加)。しかし、第一次少子化世代が親になったことによる第二次少子化が80年代に起こり、団塊世代の子供が親になった90年代前半は一時出生者数は下げ止まっていたが、今後20年は、第二次少子化世代が、親となるため、出生はますます減る、ということだ。 このままだと、2020年には、子供を生む年齢層は今より4割減である。これは生まれる子供も普通は4割減ということなので、子供を生む親が4割も減っているのに、どうやって出生率をあげろと議論できるのか、ということだ。出生“率”なので、分母の母親の数自体が直接影響を与えるわけではないが、分母が少なくなればその分だけ率の変動幅は大きくなるのである。つまり出生率をいくら上げても、団塊世代退場の穴を埋めるほどの数は生まれない、と藻谷さんは言っていた。 高齢化についてもこれと同じような論理で論じていて、これもまた非常に興味深かったが、それについてはまた今度書きます。ちょっと長くなりすぎたので・・・。 *すこし古いですが、藻谷氏の講演録が載っているサイトを見つけたので貼っておきます。講演内容もだいたいこんな感じでした。2002年5月23日第173回都市経営フォーラム『デフレ時代と中心市街地』より。 |
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商工会議所主催講演会「都市再生へ向けて」
デフレ時代と中心市街地で話題にした藻谷浩介さんの講演会が姫路でも行われます。(2月25日商工会議所にて。詳細は 、こちら) 藻谷氏は地方の事情に詳しく、面白い話や見方が聴けるものと思います。 ...続きを見る |
ひめナビブログ 2005/02/13 02:41 |
日経「経済教室」:先入観を穿て
前記事に関連して、同じことを主張している記事が日経の「経済教室」(19日付)にあった。 ...続きを見る |
Koukyo政策大学院生の蹇蹇録 2006/05/20 15:32 |
「選択的移民」すら選択できずに~メモ
日本は選択的移民政策を採らざるを得ないはずだ。なにも外国人に日本国籍を与えて多民族国家にしろというわけではない。 外国人労働者の地位を ...続きを見る |
qzmp blog 2006/06/27 23:36 |
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